ロボットには出来ないこと
(編集中)
慣用句として、ロボットには出来ない、という言葉が良くつかわれます。
とくに伝統工芸や芸能などに多いような気がします。
本当に出来ないのかどうか検証したいので、ロボットには出来ない、という言葉を聞いた時にここにメモしておこうと思います。
・ジーンズを作れない
IoT最強プラットフォームを目指して、RaspberryPi3にopenFrameworksをインストールして、ofxZmqをWindow(openGL)無しでも動くようにする(その1)
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raspberry Piは安くて早くて、arduinoと違ってネットワークに簡単に繋がる利点があります。
また、ネットワークはzeroMQを使えば、高速・安定・簡単に書けることも覚えてしまいました。
さらに、openFrameworksは様々な用途のライブラリaddonをいろいろな人が開発していて、様々な用途に便利に使えます。
そこで、raspberry Piの上のopenFrameworksでzeroMQが使える環境を整えておきたいと思います。
デバイス制御などの用途では、GUI Windowがあることが却ってネックになってしまうことがあるので、
サーバー向けにGUI無しでも動かせるようにしておきます。
1. 最新のRaspbian(jessie)を普通にインストールする.
2. openFrameworksのソースをダウンロードしてインストールする.
このページを参考にします。
raspberry pi | openFrameworks
ARMv6版とARMv7版が選択肢にありますが、Raspbianではv6、Armlinuxではv7を選ぶとよいようです。
3. zeromqのcpp bindingsをダウンロードして/usr/includeにコピー
http://zeromq.org/bindings:cpp
> cd /usr/include/
> sudo wget https://raw.githubusercontent.com/zeromq/cppzmq/master/zmq.hpp
4. 作者に感謝しながら、ofxZmqをダウンロード
cd /home/pi/openFrameworks/addons
wget --no-check-certificate https://github.com/satoruhiga/ofxZmq/archive/master.tar.gz
tar xvzf master.tar.gz
mv ofxZmq-master ofxZmq
rm master.tar.gz
6. 空の新規プロジェクトを作る
RaspberryPiでは、残念ながらプロジェクトジェネレータを使えないそうなので、ファイルコピーで空のプロジェクトを用意します。
cp -R /home/pi/openFrameworks/examples/empty/emptyExample /home/pi/openFrameworks/apps/myApps/myRpiApp
cd /home/pi/openFrameworks/apps/myApps/myRpiApp
make
make run
7. ofxZmqをプロジェクトに追加するためaddons.makeを編集。
> cd ~/openFrameworks/apps/myApps/myRpiApp
> nano addons.makeofxZmq
8. sodiumをリンクするようにconfig.makeを編集
PROJECT_LDFLAGSの行を探して、コメントアウトを解除。
PROJECT_LDFLAGS=-Wl,-rpath=./libs -lsodium
9. ofxZmqのexampleのソースコードをコピーして持ってくる
cd ~/openFrameworks/apps/myApps/myRpiApp/src
cp /home/pi/openFrameworks/addons/ofxZmq/example/src/testApp.cpp ./
cp /home/pi/openFrameworks/addons/ofxZmq/example/src/testApp.h ./
main.cppを次のように編集します。
#include "ofMain.h" //define _NO_WINDOW #ifdef _NO_WINDOW #include "ofAppNoWindow.h" #endif // _NO_WINDOW #include "testApp.h" int main(int argc, char* argv[]) { #ifndef _NO_WINDOW ofSetupOpenGL(1024, 768, OF_WINDOW); #else ofAppNoWindow window; ofSetupOpenGL(window, 0, 0, OF_WINDOW); #endif ofRunApp(new testApp()); ruturn 0; }
もしくは、
ofSetFramerate(0);
をしておく。
10. platform.hppにZMQ_USE_EPOLLの定義を追加
nano ~/openFrameworks/addons/ofxZmq/libs/zmq/src/platform.hpp
#define ZMQ_USE_EPOLL
#define ZMQ_HAVE_UIO 1ZMQ_HAVE_UIOはstruct iovecが多重定義になるのを防ぐのに必要だとのこと。
コンパイルを通すために適当に立てたフラグなので、環境に合わせてちゃんといろいろ設定しないとダメかもしれない。[2]を参考に。要確認。
11. makeして実行
> make
> make run
GUIなしにすると、キー入力も拾ってもらえませんので、testApp.cppを適当に書き換える必要があります。
これで、IoT最強に成れるのではないだろうか!
[1] osdevlab.blogspot.jp
[2] github.com
[3] qiita.com
モバイルバッテリー、有名メーカーの製品が良いと思い込んでいると時代に置いて行かれるかも?
Ankerの大容量モバイルバッテリーが良い、という記事を読んだ。
www.gurinovation.com
まさしくこの機種Anker PowerCore 20100を購入して使っていたので悪くない製品だということは知っているのだが、購入して1年ちょっと経った今、へたってしまってただ大きくて重い物体になってしまっている。
安価なので買い替えてもいいのだが、トランジスタ技術2017年1月号に気になる記事が載っている。
151~157ページ、大塚康二さんの書かれた全力実験!No.1モバイルバッテリを探せ!の中で、いくつかのバッテリーの寿命テストとランキングが紹介されている。
詳細は載せられないが、ここで一番だったのは全然知らない中華メーカーRockの製品で、サイクル寿命が長いことが絶賛されていた。
Rock Type-C対応モバイルバッテリー 5000mAh Huawei P9 P9 lite, Nexus 5x 6p対応 (メタリック)
- 出版社/メーカー: RENQING TECHNOLOGY CO., LTD
- メディア: エレクトロニクス
- この商品を含むブログを見る
何が言いたいのかというと、
リチウムイオン電池の性能は日本製が一番!やアメリカが強い!などと思い込んでいると、電池は電子機器の基幹部品なので、あっという間に中国に置いて行かれて没落してしまう危機にあるのではないかということ。
AS5047D-EK-ABのピン配置のメモ
USB I&P BOXのソフト上の文字が見切れる問題
Zero Position
[Set] [Reset]
Configuration
Rotation Direction
Dynamic Angle Compensation
ABI-Pulses
UVW-Pole Pairs, Hysteresis
Incremental Out Error Status, PWM Out[Load Config] [Export Config]
[Read Config] [Write Config] [Burn Config]
ネットワークの実時間性を保障してほしいので、DDSを調べる
DDSは、RTPSパケットを使って、Pub-Sub形式でネットワーク上のデータをやり取りする仕組み(分散ネットワーキングミドルウェア)だそうです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/Data_Distribution_Service
諸悪の根源であるところのCORBAの系統のようなので使い勝手が心配ですが、レイテンシやディレイが一定範囲内であることを期待できるリアルタイムのデータ通信の手法としては本命視されています。
商用やオープンソースでいくつかの実装があるようです。オープンソースで使い勝手のよさそうなものを探していきます。
RTI Connext DDS
https://www.rti.com/products
商用で最も普及しているのがこれです。ただし、150万円ぐらいするようです。
大学や研究機関向けにはオープンソースで機能限定版を申請により提供してくれるようですが、プロジェクトに他の企業からの予算が少しでもついていると、使用できないそうです。
今時の大学は、一生懸命外部予算の獲得に励んでいますから、この使用条件を満たすところなんてほとんどないのではないでしょうか?
登録しようとすると、連絡はアメリカの本社に行きますが、結局日本には日本の代理店があるからそっちに聞いてくれ、と言われます。
ということで、使えません。
openSplice
かつてRTI社と一緒にDDS規格の仕様策定にかかわったThalesという会社が開発していたのを、Prismtechという会社が引き継いでオープンソースで提供されているライブラリです。
一見、良さそうに見えますが、最近はほとんどメンテナンスされていないようなので、開発が止まっているように見えます。
初期にはROS2での採用も検討されていたようですが、外されてしまいました。
http://qiita.com/sobeit@github/items/20d9f1478bbc1a33d096
Hello World exampleを動かしてみようとすればわかりますが、release.batという環境設定用のバッチファイルを実行したコマンドプロンプト窓から実行ファイルを呼び出す必要があります。
やりようによっては要らない作業なのかもしれませんが、よくわからない処理の上に面倒くさいです。
ということで、使えません。
FastRTPS
www.eprosima.com
eProsimaという会社がオープンソースとして管理しているライブラリです。RTPSはパケットの形式でDDSとは謡っていないのですが、RTPSでPub-Sub形式でデータをやり取りするライブラリなので、そのものですね。
ROS2でも採用されるようなので、大本命だと思います。
ROS2では、ほかにもTwin Oaks Softwareという会社のDDSも検討されているようです。
CoreDX DDS Data Distribution Service Middleware | Twin Oaks Computing, Inc
眺めた限り、HelloWorldExampleが一番簡素に書けているのでいずれこれも使ってみたいです。
FastRTPSをちょっと触ってみる
Windows10 64bit、VisualStudio 2015の環境です。
ソースも落ちていますが、コンパイルにはboostが必要で面倒くさいので、バイナリ提供版を使います。
上記ページのDownload Now!ボタンを押せばダウンロードページに飛びますが、なぜか異様に重いです。今日ここの環境では4分ぐらいかかりました。簡単なユーザー登録を済ませれば、ダウンロードページに飛びます。
ダウンロードしたexeを実行すればインストールが始まり、特に問題なく進むとは思いますが、そのままでは管理者権限の必要なC:\Program Files\eProsimaフォルダの下にインストールされてしまい、後で少し問題が出ます。できれば、c:\workspaceなど適当な場所にしておいたほうがよさそうに思います。
もっとも簡単そうなC:\Program Files\eProsima\fastrtps 1.3.1\examples\C++\HelloWorldExampleを見てみると,cmake形式でプロジェクトが提供されています。
ProgramFilesフォルダの下にファイルを書き込むことが億劫なので、適当な場所にコピーして適当にcmakeを通してやれば、slnファイルができるので普通にビルドします。
HelloWorldPublisher.bat
HelloWorldExample.exe publisher
HelloWorldSubscriber.bat
HelloWorldExample.exe subscriber
などの適当なバッチファイルを作って2つを実行してやれば、特に問題なくプログラムは動くかと思います。
自前のデータ形式をやり取りするプログラムを書くには。
お、簡単じゃん、などと思いながらソースコードを見てみることにすると、やたらとファイルが多いことに気が付きます。
HelloWorldPublisher.cxxと.h、HelloWorldSubscriber.cppと.hはわかるとしてもまだ余計なものが一杯ありすぎます。
HelloWorld_main.cppをのぞいてみると、これは単に引数によって2つのプログラムの呼び出しを変えているだけのものなので無視していいことが分かります。
残ったHelloWorldPubSubTypes.cxxはなんぞこれと見てみると、わけのわからないことが書かれています。こんなもの、書いてらんないぞ、と焦って頭のほうのコメントをよく見てみると、
This file was generated by the tool fastcdrgen.
なんてことが書かれていて、自動生成されたファイルだということが分かり、胸をなでおろします。
fastcdrgenとは何ぞ、と思ってフォルダの中を探してみても同じファイル名のものはありません。すわ、別のプロジェクトを入れる必要があるのかな、面倒くせーななどと思っていると、
C:\Program Files\eProsima\fastrtps 1.3.1\binの下にfastrtpsgen.bat
という名前がよく似た感じのファイルを見つけることができます。これかなー、と思ってググってみるとコレでした。このムービーを見るとよくわかりますし、最初からちゃんとマニュアルを追っていけば書いてあります。
www.youtube.com
ちゃんとマニュアルは読みましょう、という教訓ですね。
.idlファイルに定義したデータパケットの形式をfastrtpsgen.bat(中でjarが呼ばれているのでjavaプログラム)で、idlをコンパイルするとPub-Subテンプレートファイルが生成される、のでこれを各自で書き換えて使えということのようです。
main関数を乗っ取られた形で提供されるのが、とても気に入らないしスレッドを分けることが必須なのが多少厄介ですが、この枠組みに乗れば簡単に使うことはできるようです。
個人的には、CORBA時代の悪夢を思い出すようでアレルギーが発症しそうなのですが、stringだけをやり取りするように決めてしまって、stringの中をOSCパケットなどにして、openFrameworksなどから呼び出せるようにラップしてしまえば、何とか使えるようになりそうです。
まとめ
使えそうなことはわかったので、性能はどうなんだろう?ということを調べてみると、ちょうどいいことにZeroMQとの性能比較がまとめられていました。
www.eprosima.com
FastRTPSの方が良いよ、と言いたいのだと思いますが、ディレイもレイテンシもほとんど変わりませんね。メッセージサイズが大きいときにはややFastRTPSが有利で、小さいときにはZeroMQのほうが有利と読めます。
ロボットで使われるメッセージは、画像や音を除けば大半は短いコマンドなので、ZeroMQでいいじゃん、ということになります。
ネットワークの管理を厳密にやりたいときはFastRTPSの方がずっと良さそうです。
(が、正直、超絶面倒くさいから、当面はZeroMQでよくってROS2が本格的に動き出したら使わせてもらおう、という結論。)
raspberryPi2/3に(オーディオ用では無い)複数の普通のDAコンバータmcp4725を接続して、4ch以上のアナログ出力を得る方法
以前書いた記事の続編です。
cvl-robot.hateblo.jp
mcp4725は、安価で簡単に12ビット分解能のアナログ出力を得ることができる良いICなのですが、I2Cアドレスが0x60,0x61の2つからしか選択できません。
したがって、素直に使うと2chの出力しか得られません。
このページでは、もっと多くの出力数が必要で困る場合の対処方法を紹介します。
FXMA2102のOEピンを制御して時分割でI2Cの出力先を切り替える
4chの場合の参考回路図を載せておきます。
今回の回路図では、5V出力ではなく3.3V出力ですので注意してください。VCCBに5V電源をつないでやれば5V出力も取れます。
もっと数を増やしていくこともできますが、FXMA2102の数に応じて応答時間がどんどん遅くなることに留意してください。
スルーホール基板でも、ほとんどジャンパ飛ばすことなく回路が引けます。
参考ソースコード
2つのFXMA2102のOEピンをそれぞれ、4番ピンと11番ピンに接続した場合の例です。
I2Cバスを切り替えたときに、毎回EEPROMに焼きこまなくても、稼働中は出力電圧をちゃんと維持してくれます。
#include <stdio.h> #include <unistd.h> #include <wiringPi.h> #include <wiringPiI2C.h> #define BCM_4 4 #define BCM_11 11 void setDACVoltage(int deviceid, int voltage, int writeToEEPROM) { int fd = wiringPiI2CSetup(deviceid); voltage = (voltage > 4095) ? 4095 : voltage; voltage = (voltage >> 4); if(writeToEEPROM) wiringPiI2CWriteReg16(fd, 0b01100000, voltage); else wiringPiI2CWriteReg16(fd, 0b01000000, voltage); close(fd); } int main(int argc, char* argv[]) { if(wiringPiSetupGpio() == -1){ printf("wiringPi GPIO error\n"); return -1; } pinMode(BCM_4, OUTPUT); pullUpDnControl(BCM_4, PUD_OFF); // PUD_OFF, PUD_UP, PUD_DOWN pinMode(BCM_11, OUTPUT); pullUpDnControl(BCM_11, PUD_OFF); while(1){ for(int i=0; i<4096; i++){ digitalWrite(BCM_4, 0); digitalWrite(BCM_11, 1); setDACVoltage(0x60, i, 0); setDACVoltage(0x61, i/2, 0); digitalWrite(BCM_11, 0); digitalWrite(BCM_4, 1); setDACVoltage(0x60, 4095-i, 0); setDACVoltage(0x61, (4095-i)/2, 0); } } return 0; }
半精度浮動小数点(2バイト)と単精度浮動小数点(4バイト)のC言語での変換方法を調べる
Tiのマイコンで使われているfloat_t型は2バイトで与えられています。一般に知られているfloat型は4バイトの単精度浮動小数点です。
2バイトで表現される浮動小数点は半精度浮動小数点(half)と呼ばれ、最近では、レンダリングや機械学習の用途で需要が増えているそうです。
しかし、普通のC言語には簡単に変換する方法は提供されていません。これを簡単に変換する方法を調べてみたいと思います。
半精度浮動小数点について
素敵な情報源
OpenEXRで使われているライブラリは、ilmbase-2.2.0の中のHalfフォルダにあります。BSDライセンスとのことなので自由に使えそうです。ただし、c++実装です。
matlabが配布しているソースコードは、mex前提みたいなので借りてきて使うのは面倒そうです。
c言語向けでは、githubにあるramenhutさんのhalfライブラリがc++で書かれてはいるのですが、きれいで簡単でよさそうです。
というわけで、ramemhutさんのライブラリを改造して試してみたいと思います。
GitHub - ramenhut/half: IEEE 754 16-bit Float
テストコード。ただし、メンバー変数のm_uiFormatをpublicにしてある。
#include <iostream> #include "half.h" using namespace std; int main(void){ // Here your code ! FLOAT16 a = 0.222; FLOAT16 b = 0; unsigned char upper, lower; upper = ((unsigned short)a.m_uiFormat >> 8) & 0xff; lower = (unsigned short)a.m_uiFormat & 0xff; b.m_uiFormat = (upper << 8) + lower; cout << a << endl; cout << (int)lower << " " << (int)upper << endl; cout << b << endl; return 0; }
結果
0.221924
26 51
0.221924