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cvl-robot's diary

研究ノート メモメモ https://github.com/dotchang/

VR用の音源素材を取得するために、NTTのHIFIREVERBを搭載したスピーカーを定価の10分の1ぐらいで購入

無響室を使える環境に無いと,響きの無い音源、いわゆるドライソースの入手は困難です.
一方で、VRやMRで音響効果を加えたいときに,音源に残響音が含まれていると2重でエフェクトが掛かってしまい、ヘナヘナな音になってしまいます。
研究レベルでは,残響分離や音源分離は多く取り組まれていますが,音響用プログラムは画像系と違い,ほとんどオープンソースで出回っていることはありません。
また、自分で作りこむにしても画像処理ほど誤差に寛容でないので,完成度を高くしないとならず大変に手間がかかってしまいます。
そこで、手っ取り早く残響音の分離ができる方法が無いかと考えた末、4000円ほどの投資でエコーキャンセルっぽい効果や逆に残響だけを取り出せる方法を見つけました。

解決手段は、コレです。

NTTエレクトロニクスが開発したHIFIREVERBという技術を搭載している2.4GHzワイヤレストランスミッターと、レシーバーを内蔵したスピーカーのセットです。スピーカーにはアナログ入力も備えられています。
写真ではわかりにくいですが、スピーカーは相当大きなものです。
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数年前に鳴り物入りで5万円ぐらいの価格の商品として投入されたのですが、インターフェースの設計がまったくいけていなくて売れませんでした。
スピーカーの音質も値段に見合ったものではありません。
ではこのシステムの価値はどこにあるかと言うと、
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こっちの小さい箱にあります。

アナログ入力と、アナログ(イヤホン)出力と、2.4GHzワイヤレストランスミッターを備えて、HIFIREVERB処理のためのDSPを内臓しています。
ACアダプターもしくは、単三乾電池4本で動作します。大きさは、スマートフォンとほぼ同じフットプリントです。

電池の方の電源回路がまたダメダメで、電池を1本ひっくり返して入れてもLEDランプが駆動して見かけ上動いた状態になります。
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また、もっともいけてないのが、一番の売りであるはずのHIFIREVERBの動作モード切替スイッチが、電池のふたに隠されたところにあることです。
写真では、電池の左側のダイヤルがそれです。
空間の広さを調整したいとき、いちいちふたを外して、回しにくいつまみを指先で操作する必要があります。
設計を外部の適当な会社に発注したのか、新入社員に丸投げして面倒見なかったのか、最悪のデザインです。

それでもなお4千円出して買う価値は、HIFIREVERBの恩絵に預かりたいからです。
これは何をやってくれるのかと言うと、音響成分の分離をしてくれます。
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音響は、音源から聴取点までの音の反射の状況に応じてざっくりと、原音、初期反射成分、残響成分の3つに分けることができます。
このDSPは、
・直接音+初期反射成分
・残響成分
の2つに分離した結果をアナログ出力してくれます。
それぞれをアナログ録音しなおすことで、VR用の音素材として結果を取り込むようにして使用します。
人間の音響による空間知覚は主に、初期反射成分から与えられる定位感によるものなので、残念ながら残響だけ切り離していじってみてもあまり効果は得られません。
1986年、YAMAHA DSP-1から始まった音響編集は実は今もたいして進歩してないのかも知れません。

設定スイッチ
0: 広い間隔のスピーカー 小
1: 広い間隔のスピーカー
2: 広い間隔のスピーカー
3: 広い間隔のスピーカー 大
4: 狭い間隔のスピーカー(同梱スピーカー) 小
5: 狭い間隔のスピーカー
6: 狭い間隔のスピーカー
7: 狭い間隔のスピーカー 大
8: ヘッドホン 小
9: ヘッドホン
A: ヘッドホン
B: ヘッドホン 大
C: 音源ダイレクト
D: 残響音のみ
E: 直接音のみ(音楽用)
F: 直接音のみ(会話・アナウンス用)

2つの時間を調整して空間の広さの演出を変えて出力するモードもありますが、残念ながらHIFIオーディオを楽しみたい人にはほとんど無意味な仕上がりです。
また、残念ながらアナログ出力のS/Nも相当低くしばしばノイズが入ることがあります。

NTTは何でDSPだけ音響編集機器として売り出そうとせずに、オーディオとして売ろうとしたんですかね?ヤマハ、ローランド、KORG辺りのバッチを付けたオーディオインターフェース商品としてなら、一定量の需要も見込めたでしょうに。理解できません。
残ったスピーカーがでかくて邪魔なので、有効活用の仕方を模索中。

今日の漫画(本文)

神保町でカレーを食べることを夢見る漫画です。この漫画はある意味スゴイ、です。連載開始が1994年3月で、世界観の説明もろくに無いまま唐突に始まり、その後もたいした説明も無いまま、ずーーーーーーっと同じスタンスで同じことをし続けて続いています。主人公や仲間たちが成長することも無く、やることも変わらず、カレーを食べることを夢見て、よくわからない冒険を続けています。絵も昔も今もあまり変わっていません。このまま、ずーっと続いてくれると良いな。